覆流年 復讐の王妃と絶えざる愛

覆流年 復讐の王妃と絶えざる愛

蘇城(そじょう)最大の商家・陸(りく)家の長女・安然(あんぜん)は、武芸を好み、盗賊にさえ戦いを挑むおてんば娘。だが、その真面目な人柄と商才を見込んだ父・軽舟(けいしゅう)は、彼女が18歳になったのを機に、陸家の当主たる証し・双魚令を娘に贈るのだった。そんななか、安然は陸家の商売相手・蔡(さい)の護衛を務める穆懐恕(ぼく・かいじょ)と出会う。彼は安然に一目ぼれをしたと告げ、別れ際に婚約の証しとして玉佩を手渡した。それから2ヶ月後、陸家に朝廷からの使いが。穆懐恕と素性を偽った男性の正体は第二皇子である慶(けい)王・穆澤(ぼく・たく)だったのだ。届いた聖旨には、穆澤と安然との婚儀を執り行うと書かれており、安然は正妃として嫁ぐことに。婚姻から5年。その間に安然は毓(いく)という男の子を授かったが、その一方で穆澤は蕭映(しょう・えい)将軍の妹・驚雀(きょうじゃく)を側室に迎えた。宮中での生活には慣れたものの、穆澤は公務で忙しく、一抹の寂しさを抱えていた安然。しばらくして驚雀の懐妊が明らかになると、「側室である自分の子は世子にはなれない」と嘆く彼女の策により、安然を悲劇が襲う。度重なる肉親との悲しい別れに憔悴していく安然と、権力を得て残忍な一面を見せるようになった穆澤。数々の悲劇は夫の策略によるものと判明し、深い後悔に打ちのめされ自ら死を選んだ彼女だったが、気付くと成人の儀の前日、穆澤と出会ったあの日に舞い戻っていて…。