星から来た猫将軍

星から来た猫将軍

逸趣(いつしゅ)堂という生き物店を営む小薄荷(しょうはっか)こと蘇小荷(そしょうか)のもとにある日、差出人不明の文が届く。文には「都にいる兄が行方不明となっており、魂珠(こんじゅ)を4つそろえたら兄を無事に返す」と書かれ、青く光る“藍魂珠(らんこんじゅ)”が同封されていた。兄を案じた小薄荷は都へと向かうが、その途中、落日(らくじつ)軍に追われ倒れている天璃(てんり)国の少将軍・莫修染(ばくしゅうせん)と出会う。命を救おうと、口づけをし蘇生を試みる小薄荷だったが、その瞬間、“藍魂珠”が怪しげな青い光を放って…。

失踪した兄の手がかりを探すため莫家に使用人として潜入しようとする小薄荷。一方、莫修染の体を借りているココ狸は主従契約を解消するため小薄荷を屋敷に入れたいと考え、裏で手を回し小薄荷を東院の筆頭侍女にさせる。契約書に署名させ主従契約を取り消したいココ狸だが小薄荷は応じない。署名を迫るココ狸が転倒したはずみで小薄荷に口づけをすると、ココ狸は猫の姿に戻ってしまう。そんなある日、小薄荷は兄が失踪したと思われる珍宝閣を訪れる。

真実の愛の口づけを交わせば主従契約を取り消せると知った莫修染は、小薄荷の望みを3つ聞き出して願いをかなえ、心をつかもうと画策する。舟の上で莫修染は小薄荷の兄への思いを知り、2人は少しずつ心を通わせていく。一方、莫修染を目の敵にしている玉(ぎょく)夫人は、莫修染と小薄荷の動きを侍女に見張らせていた。そしてある日、莫修染が酒を持って小薄荷の部屋に入って行ったと知り、莫修染を陥れてやろうと小薄荷の部屋を訪れるのだが…。